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光ファイバセンサ概論(6)

基礎編<その1>(10)

基礎編<その2>(10)

基礎編<その3>(10)

基礎編<その4>(3)

設計編<その1>(10)

設計編<その2>(3)

施工保守編<その1>(10)

施工保守編<その2>(10)

施工保守編<その3>(4)

コラム(11)

基礎編<その3>

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26_干渉計はどのように計測をおこなうか

事務局
干渉計とは、光の波としての性質を利用したものです。

2つの波を合成したとき、図1のように、光の波の山と山、谷と谷が一致するように合成されると、それぞれが強めあい、山は高く、谷は低くなる現象が起こります。

図1
図1 同位相の波の合成

図2
図2 逆位相の波の合成

逆に、光の波の山と谷、谷と山が一致するように合成されると、それぞれが打ち消しあい、山は低く、谷は浅くなります。図2では山と谷が打ち消しあい、波がなくなっている状態を示しています。このような現象を干渉といいます。

光ファイバセンサの干渉計とは、上記の現象を起こすために、光を光カプラで2本に分岐し、歪や屈折率の変化などにより光路長が変化した後に、光カプラで合成し光の伝搬距離・時間の差(光路差)による干渉の状態から、歪や屈折率変化による光路長の変化を測定するものです。

通常は、測定対象となる物理量に対し、光ファイバに歪が発生するように設計するほうが容易です。

干渉計による光ファイバセンサでは、物理的な変形、歪を発生させることが可能な現象であれば、測定対象となります。

例をあげると
  • 振動、加速度:振動板の歪を計測
  • 温度:熱膨張、熱収縮する材料の歪を計測
  • 磁力:磁歪材料の歪を計測          
などがあります。

光ファイバセンサに使用される干渉方式としては、マイケルソン干渉計が多く採用されています。

マイケルソン干渉計は図3のような構造となっています。

マイケルソン
図3 マイケルソン干渉計

これを光ファイバセンサとして使用する場合には図4の構成となります。

図4
L :レーザ
CL:コリメートレンズ
BS:ビームスプリッタ
M :全反射ミラー
SC:スクリーン
OC:光カプラ
PD:受光部

図4 マイケルソン干渉計型光ファイバセンサ

センサ部は光カプラによって分岐された2本の光ファイバと光ファイバ終端のミラーにより構成されます。片方の光ファイバ(リファレンス光ファイバ)は、測定によって歪や屈折率の変化が起こらない状態にし、もう片方の光ファイバ(センシング光ファイバ)のみに、測定による歪や屈折率の変化が発生するようにします。

これにより、センシング光ファイバとリファレンス光ファイバとの間に、光路差(光の通る経路の長さの差)が発生します。光路差が発生すると、光の信号の通過時間が変化します。

このために、2本の光ファイバを通ってきた光を光カプラで再度合成すると、この光路差によって、光の干渉が発生します。光の干渉の状態について、波長や光強度を計測することで、センサ光ファイバに発生した、歪や屈折率の変化を計測できます。

良好な干渉を起こさせるためには、偏光状態(State of Polarization:SOP)が重要なため、マイケルソン型ではセンサ部のミラーにファラデーローテーションミラー(Faraday Rotation Mirror:FRM)を使用することが一般的です。

このように、干渉計を用いた光ファイバセンサでは、同一の2本の光ファイバをリファレンスとセンシングに使用するため、目的とする測定以外の成分は、両方の光ファイバに同じ変化を与えるので差は発生しません、これにより目的外の成分による変動をキャンセルすることができます。

また、2本の光ファイバを目的とする測定に対し、逆の方向の変化をさせるとプッシュプル型のセンサとして、感度を2倍にすることも可能です。歪を例にとると、対象測定物の変化に対し、1本は伸びる方向、もう1本は縮む方向の変化を発生させることにより、2本の光ファイバ間の光路差は片方だけ変化させる場合の2倍になります。

また、多くの場合、干渉型では光の強度の変化を捉えることにより、干渉の状態を計測できるため、波長を計測する方法に対し、より速いサンプリング周期で計測することが容易となります。

この特性を生かし、速いサンプリング周波数が必要とされる交流成分(音や振動、地震など)の計測によく使用されます。

干渉計による、光ファイバセンサの多重化は、図5のようにすることで可能となります。

マイケルソン干渉計型センサの多重化
図5 マイケルソン干渉計型センサの多重化

マイケルソン型で多重化を行う場合、1本の光ファイバで行う場合と、2本の光ファイバにより行う場合があります。

使用する光ファイバの本数は、1本で行うほうが少なくてすむため、有利ですが、反面、システムの冗長性や信頼性の確保という観点からは、2本の光ファイバで多重化を行う方が有効です。

ループ状のシステムを構築しておけば、伝送路の障害やセンサの障害時に逆方向から測定することにより、障害部以外のセンシングを可能とすることもできます。

多重化を行う場合、時間分割多重によりセンサからの信号を識別することが一般的ですが、波長多重も可能です。

また、時間分割多重と波長多重を組み合わせることにより、より多数のセンサの多重化や、複数の種類のセンサの多重化も可能となります。


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