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光ファイバセンサ概論(6)

基礎編<その1>(10)

基礎編<その2>(10)

基礎編<その3>(10)

基礎編<その4>(3)

設計編<その1>(10)

設計編<その2>(3)

施工保守編<その1>(10)

施工保守編<その2>(10)

施工保守編<その3>(7)

コラム(11)

基礎編<その2>

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12_光ファイバセンサと従来の電気式センサの違い

事務局
電気式センサは、半導体、抵抗、コンデンサといった電気、電子部品/素子を利用して構成されています。これらは電流を流すことで動作します。

電流(電子の流れ)は、電気式センサを通過するときに変化し、その変化を電流の信号としてセンサ変換器で検知することでセンサとして動作します。

電流を流すために、電源および電流が流れる経路(銅線、プリント基板などの銅箔)が必要です。

一方、光ファイバセンサでは、図1のように電流に相当するものが光(光子の流れ)、銅線に相当するものが光ファイバです。

光ファイバセンサは「光学受動部品」なので、動作させるためには電気センサの電流に相当する光が必要で、光源で光を生成して光ファイバセンサに加えます。

光源は電気式センサで言えば電源に相当しています。また光ファイバセンサで変化した光を受光器で受信します。光を流すためには、銅線または銅箔ではなく、光ファイバ、光導波路が利用されますが、これらは金属ではなくガラスです。

銅線を使って電気式センサに電源を供給したり、センサ信号を伝送したりする場合、図2のように銅線の電気抵抗のために、センサの近傍から電源を供給しなければなりません。また、センサの出力信号はそのままでは数百メートル程度しか伝送することができません。

一方、光ファイバセンサの場合には、光源の光が光ファイバを通じて数十km遠方に設置したセンサに供給することができ、また被計測物理量の変化によって光ファイバセンサ内で変化した光は、同様に光ファイバを伝搬し遠方の受光器で受信することができます。

このように、電気式センサと対比すると、電源(=光源)、変換器(=受光器)、銅線(=光ファイバ)となり、光ファイバ内を長距離伝搬できることから、光源+受光器+光ファイバで、遠方の光ファイバセンサを駆動できます。

また、落雷(強い電流)、電波、電気的ノイズは、銅線や銅箔がアンテナとなって、電気式センサ内部に侵入し内部を破壊したり、ノイズとなってセンサ信号に影響を与えたりしますが、光ファイバ、光ファイバセンサは「ガラス」でできていますので、これらの心配がありません。

また図3のように、光ファイバセンサでは1心の光ファイバに多点のセンサを接続することができます。

最近見なくなりましたが、レコードプレーヤーは、レコードに刻まれた音楽の情報を針と銅線のコイルでピックアップして音楽を再生していますが、CD、DVDは、非接触で光源から光を送信し反射光を受光器で受信して音楽や映像を再生しています。

光ファイバセンサも、銅線と電源が、光ファイバ(ガラス)と光源へと変化したものと考えると理解しやすいかもしれません。

物理的には、電流のサイクリックな変化を交流と呼び、交流の周波数が高くなると電磁波(電波)と呼び、電波の周波数がさらに高くなった波が光なので、電気・電子技術の扱う周波数領域を光の振動数まで拡張した、「電気回路」→「光回路」への変遷が光ファイバセンサシステムのもう一つの捉え方であろうと言えます。

光防災
図1 電気式センサと光ファイバセンサの違い

 図2
図2 電気式センサの構成

図3 
図3 光ファイバセンサの構成

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