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光ファイバセンサ概論(6)

基礎編<その1>(10)

基礎編<その2>(10)

基礎編<その3>(10)

基礎編<その4>(3)

設計編<その1>(10)

設計編<その2>(3)

施工保守編<その1>(10)

施工保守編<その2>(10)

施工保守編<その3>(7)

コラム(11)

設計編<その1>

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07_BOF/PNCR方式での、精度、分解能の比較および適用用途の目安

事務局
BOF/PNCR方式の性能は、測定レンジ、測定精度、測定チャンネル数、最大測定距離、センサ設置間隔で表わされます。

1. 測定レンジ

BOF/PNCR方式ではDWPR(4-1-23参照)を用いて、V字型の反射特性を持つ光学フィルタの中心波長変化を2波長の反射率比から求めるため(4-1-24参照)、中心波長が2波長の間に存在する必要があり、測定レンジは中心波長の変化と2波長の間隔との関係で決まります。標準の温度計測システムでは130 ℃の変化が測定できるよう設計されています。

BOFは誘電体薄膜で形成されているため、薄膜の性質が安定している温度範囲で使用しなければなりません。信頼性まで考慮して最大使用温度は250 ℃に設定しています。

2. 測定精度、測定チャンネル数

2波長反射率比の測定精度はSN比と2波長の波長安定性という設計要素で決まります。SN比はセンサから戻ってくる光の強度に比例します。測定チャンネル数が多くなると光が多くのセンサに分配されるため1つのセンサから戻ってくる光の量が減少します。したがって、測定精度と測定チャンネル数はトレードオフの関係にあります。標準の32チャンネルシステムの測定精度は±1 ℃です。

3. 最大測定距離

光ファイバは伝送損失が少ないので長い距離離れた点での測定が可能です。しかし、非常な長距離になりますと光ファイバの損失がSN比に影響します。1550 nm帯の光の場合、伝送損失は約0.3 dB/km以下ですので、システム設計上12 dBの損失まで許容して最大測定距離は20 kmとなっています。

4. センサ設置間隔

BOF/PNCRはOTDRと同様に(4-1-18参照)、センサの識別はインタロゲータから各センサまでの距離に差をつけることによっています。センサのトポロジーにはバス型とツリー型がありますが(5-3-1参照)、いずれの場合も距離差を確保するため必要に応じてダミー光ファイバを使用します。距離差はPNCRのチップレートに依存し、6.25 MHzの場合にはセンサ設置間隔を49 m以上としています。

 DWPR方式を用いたBOF/PNCRの仕様を温度測定システムとして表にまとめます。

表1 BOF/PNCRの仕様
表1

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