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光ファイバセンサ概論(6)

基礎編<その1>(10)

基礎編<その2>(10)

基礎編<その3>(10)

基礎編<その4>(3)

設計編<その1>(10)

設計編<その2>(3)

施工保守編<その1>(10)

施工保守編<その2>(10)

施工保守編<その3>(7)

コラム(11)

設計編<その1>

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01_どのように光ファイバセンサを選択したら良いか

事務局
光ファイバセンサの大まかな種別、計測可能な物理量、用途/応用例を表1に示します。

光ファイバセンサには、分布計測とポイント計測(多点型、単点型)の大きく2つがあります。長手の方向に分布した温度や歪を計測したい場合には分布型を利用します。

たとえば、構造物の長手方向の歪分布を計測したい場合にはBOTDR、トンネル内火災やプラント施設の温度管理などで、長手方向の温度分布を計測したい場合にはROTDRが利用できます。

一方、ある特定箇所にセンサを設置して、その場所の温度、歪、振動などの物理量を計測する場合には、ポイント型の光ファイバセンサを選択します。多点型とは、1本の光ファイバに複数の光ファイバセンサを接続して構成したマルチポイント計測のことです。

計測したい物理量、内容によって、表1の中から使えそうな光ファイバセンサを選択してください。選択したセンサについて、次ページ以降に記載されているそれぞれのセンサの特徴、性能、仕様から、目的に合致しているセンサ、使えそうなセンサかどうかを確認してください。

【分布型計測】
計測する物理量が温度であればROTDR、光ファイバのロス(伝送損失)の場合はOTDRとなります。BOTDRは温度または歪が計測できます。

【ポイント計測】
ポイント計測の場合は、従来の電気式センサを光ファイバ式に置き換えたものが多いので、

① どのような光ファイバセンサがあるのか?
② そのセンサの計測原理は何か?
③ 計測に要求される応答性はどの程度なのか?

を調査することで、どのセンサを選択したら良いかを絞り込むことができます。

たとえば、圧力、移動量、たわみ量といった、多種類のセンサを使用した計測システムを構築する場合には、同じ計測原理のセンサを選択することで、1台の計測器でシステムを構築することができます。

物理量では無く、ON/OFF、開/閉などという状態変化を検出する場合は、ファラデー近接センサが有効です。

センサおよびセンサシステムを選択する場合、下記のような項目も合わせて考慮します。

① 仮設的に用いるのか、あるいは観測システムのように恒久的なものか
② センサの交換が容易であるか、埋設のように交換が困難(不能)ではないか 
③ 計測範囲(距離)、サンプリングタイム、要求される精度、分解能 
④ 変位、水位、温度など多種類の計測を行うのか、あるいは歪、温度だけを線的、面的に計測するのか 
⑤ センサを設置する場所の環境 
⑥ システム全体の費用

目的と場面に合わせて、最適なセンサを選択するようにします。もし選択に困ったり、目的に合致したセンサが見つからなかったりしたい場合には、巻末に記載の「光防災センシング振興協会」やメーカーに問い合わせして相談する方法もあります。

表1
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