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コラム

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寄稿《妙高大橋におけるモニタリング見学会の実施に寄せて》土屋宗典(長野計器(株)FBG事業部)《妙高大橋見学会に参加して》高橋成二((株)共和電業 マーケティング本部)

2017年10月1日

事務局

 去る5月18日に開催された妙高大橋見学会に関し、長野計器(株)土屋宗典様(当協会団体会員)より《妙高大橋におけるモニタリング見学会の実施に寄せて》を、(株)共和電業 高橋成二様(当協会団体会員)より《妙高大橋見学会に参加して》を寄稿して頂きました。 

妙高大橋におけるモニタリング見学会の実施に寄せて》  長野計器(株)土屋宗典
 本年5月18日、当協会会員(一部非会員を含む)25名の参加の下、国道18号線の妙高大橋で実施中のモニタリングの研究現場の見学会が開催されました。当協会と妙高大橋との関わりは偶然にも6年前の2011年3月11日、東日本大震災の日にさかのぼります。当日、国土交通省高田河川事務所の職員の方々による案内の下、PC箱桁の中で見学を行っているまさにその最中に大きな揺れに襲われ、急遽中止になったことは今でも語り継がれるところです。
 妙高大橋は、当時から劣化損傷では全国的に有名な橋梁で、光ファイバセンサによるモニタリングの有意性をここで示すことは私達にとって非常に大きな意味がありました。そこで、高田河川事務所のご理解とご協力の下、そして茨城大学の呉先生、東京大学の村山先生、横浜国立大学の西尾先生のご指導により、見学から僅か半年後の2011年11月に行われた外ケーブルによる妙高大橋の補強工事の前に、
FBG歪・温度センサ×14、FBGロングゲージセンサ×12、FBGの加速度センサ×4 からなる比較的大きな規模のモニタリングシステムの設計・製作そして設置までを行うこととなりました。
 翌2012年の12月に起きた中央道の笹子トンネルの天井版崩落事故は、社会インフラの老朽化と維持管理が社会の抱える大きな問題であることを広く一般に認知させました。以後、多くの企業や団体から妙高大橋を活用したモニタリング研究の実施申し込みがあったそうですが、新たに許可を得ることはなかなか難しかったようです。当協会は、手弁当にも関わらず、企業と大学がひとつになり熱心に活動したからこそ一足先に研究を開始することができたものと思います。以降、現在に至るまでの約5年間、学術的にも極めて貴重なデータを取り続けることができました。
 光ファイバセンサによる社会インフラのモニタリングと聞くと今ではさほど難しくないと思われるかも知れませんが、センサから得られる大量のデータを様々な角度や手法から解析し、妙高大橋のどこがどのように変化しているかを導きその変化と安全性の指標を如何に関連付けるかは、極めて難易度の高い研究テーマであるか身を持って知ることとなりました。外ケーブルによって桁に緊張を加えた後に生じたデータの変化をどう解釈するか、先生方と企業との間で激しい議論になったこともその過程のひとつです。センサやシステムに関しても、センサの施工方法やセンサデータそのものの信頼性、長期に渡るデータの連続性(欠損が無い)等々についても多くの技術課題や知見を得ることができました。
 私にとっての妙高大橋は今もなお学びの場でもあり、ここで得られた知見がインフラに限らず多岐にわたる実現場で活かされるであろうことは疑う余地もありません。ここに改めて多くの関係者に感謝の意を表します。

妙高大橋見学会に参加して》(株)共和電業 高橋成二  は こちら をご覧ください。
 
見学会当日の様子は、 事務局便り<No.6>妙高大橋見学会を実施しました。 をご覧ください。 

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