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光ファイバセンサ概論(6)

基礎編<その1>(10)

基礎編<その2>(10)

基礎編<その3>(10)

基礎編<その4>(3)

設計編<その1>(10)

設計編<その2>(3)

施工保守編<その1>(10)

施工保守編<その2>(10)

施工保守編<その3>(7)

コラム(11)

光ファイバセンサ概論

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04_光ファイバセンサシステムの構築

事務局
光ファイバセンサを実際の現場で使用する場合、計測対象に対してはもちろんのこと、図2に示した光ファイバセンサの各構成要素のほかに、出力データの処理方法や設計・施工方法など、計測を担う光ファイバセンサシステムおよびその構築に対して広く体系化された概念・知識を持つことが重要です。

図2
図2 光ファイバセンサの基本構成(透過型)

一般的に光ファイバセンサシステムは図6のように表すことができます。図6には例としてバス型の多点計測のシステムを示しています。

計測器は主に光源と受光器から構成され、前述したように各計測部から得られた検出量が時間と計測部を変数とした信号S(t,n)として出力されます。

信号はそのまま計測量である場合もありますが、信号処理系により計測量としての情報M(t,z)に変換される場合もあります。ここでzは計測対象における位置や部位になります。

必要に応じて、この情報は通信系を介してより上位のシステムへ伝送され、また上位系から信号処理系や計測器が制御されます。

計測器・信号処理系からの情報をもとに計測対象の状態を把握し、ユーザーが何らかの意思決定をしたり、上位系から別のシステムを介して計測対象を制御したりするといった高度な要求がある場合は、経験や物理モデルをもとにどのような情報を得るべきか事前によく検討した上で、計測器から上位系の連係を設計・構築しなければなりません。

図6
図6 多点計測(バス型)に用いられる光ファイバセンサシステム

また、信頼性の高い、効率的な光ファイバシステムを実現するには、伝送路・計測部の設計・施工が重要となります。伝送路を確実に保持するためには、外部からの様々な攻撃から光ファイバを守る必要があります。

そのため丈夫な被覆で覆われたケーブルを使用することもあります。光源のパワーや帯域、受光器の感度、光ファイバを接合するコネクタや光を分配・結合するカプラといった光部品での光損失によって、接続可能な計測部の数や計測範囲が限られてきます。

したがって、光が伝搬する全体構成を明確にした上で、個々のデバイスの性能・仕様を理解し、システムがうまく動作するよう設計しなければなりません。従来の電気的なセンサでシステムを構築しようとするときに、各部品の適切な容量やインピーダンスなどを考えることと同じことだと言えます。

計測部の施工は、計測量を正確かつ長期間にわたって安定的に得るためにたいへん重要となります。実験室での事前検討ではうまく測れたが、現場では欲しいデータが取れなかった、ということは避けたいものです。

一般的に電子部品が含まれない光ファイバセンサの計測部は信頼性の高いものとなりますが、たとえば、計測対象の変形を観測する場合などに精度や感度を長期間保証するためには確実な固定方法をとる必要があるのです。

図7
図7 光ファイバセンサの構築

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