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光ファイバセンサ概論(6)

基礎編<その1>(10)

基礎編<その2>(10)

基礎編<その3>(10)

基礎編<その4>(3)

設計編<その1>(10)

設計編<その2>(3)

施工保守編<その1>(10)

施工保守編<その2>(10)

施工保守編<その3>(7)

コラム(11)

施工保守編<その3>

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21_岩盤、水中、盛土などではどのように取付けますか

事務局

1.岩盤
 岩盤は歪の計測に必要とされる分解能が数µε~数十µεと小さいので、センサの精度を高めるために、温度補正や岩盤と一体化して連動する固定方法に留意する必要があります。岩盤に掘削されているボアホールのケーシングに取り付ける工法がよく採用されています。

岩盤への光ファイバセンサの取り付け工法 
      図1 岩盤への光ファイバセンサの取り付け工法

ボアホールケーシング断面図 
           図2 ボアホールケーシング断面図

 図1のセンサは、ボアホールケーシングの表面に光ファイバセンサを対角の位置に取り付けた構造のセンサ(図2 断面図参照)で、岩盤の動きによりボアホールケーシングが変形するのに連動して、光ファイバセンサも変形します。

2.水中
 FBG水位計や間隙水圧計などが水中で使用されます。FBG水位計は水底に設置して水圧を水位に換算する方式です。どちらも、FBGを圧力センサとして利用したものです。水中で使用しますので、水圧による水の侵入を防ぐセンサ構造となります。水中で光ファイバを接続する場合には、同様に水の侵入を防止する中継部構造が必要です(防水コネクタや防水中継ボックス)。
   
 FBG式水位計
水圧によって感圧部のラバーが変形し、連動してFBGを取り付けたリングも変形し、FBGに歪が加わる構造

                図3 FBG式水位計

3.盛土
 盛土の補強にはいろいろな材料が使用され、光ファイバセンサも歪計測として利用されています。図4は、ジオグリッドと呼ばれる地盤や盛土の補強に使用される樹脂系複合材料の中に、光ファイバを繊維方向に挿入して一体化させて、ジオグリッドに作用する歪(引張力)の分布をBOTDR測定器によって計測しようとするものです。

 光ファイバセンサ機能付きジオグリッド

       図4 光ファイバセンサ機能付きジオグリッド

 ジオグリッドは、道路工事などで盛土を構築する場合に、盛土を急勾配化させる補強土工法と呼ばれる工法に用いられ、写真1に示すように、盛土の中に層状に布設されます。ジオグリッドの布設後は、写真2に示すように、盛土材料(土)を投入して、締固め機械で盛土が密な状態になるように転圧をしていきます。盛土の施工中および施工後は、写真3に示すように、ジオグリッドに作用する歪をBOTDRで計測し、異常な歪が生じていないかを確認します。このように、光ファイバセンサ機能付きジオグリッドは、盛土の完成後も長期的にジオグリッドの健全性と盛土の状態を評価できる技術です。

光ファイバセンサ機能付きジオグリッドの布設 光ファイバセンサ機能付きジオグリッドの布設

            写真1 光ファイバセンサ機能付きジオグリッドの布設盤
 
 盛土材料の投入と締固め  盛土材料の投入と締固め

            写真2 盛土材料の投入と締固め
 
BOTDR測定器による計測と盛土の完成状況  BOTDR測定器による計測と盛土の完成状況   
              写真3 BOTDR測定器による計測と盛土の完成状況

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