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光ファイバセンサ概論(6)

基礎編<その1>(10)

基礎編<その2>(10)

基礎編<その3>(10)

基礎編<その4>(3)

設計編<その1>(10)

設計編<その2>(3)

施工保守編<その1>(10)

施工保守編<その2>(10)

施工保守編<その3>(3)

コラム(11)

光ファイバセンサ概論

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02_光ファイバセンサシステムの構成<1>

事務局
光ファイバセンサは基本的に光源、伝送路となる光ファイバ、計測部、そして受光器から構成されます。図2に示した光ファイバセンサの基本構成では、伝送路となる光ファイバに、光ファイバ同士を接合したり、光を分配・結合したりするための部品が含まれています。

図2は光源からの光が受光器まで一方通行で伝搬する透過型ですが、計測部で反射あるいは散乱によって光が伝送路を逆に戻る構成方式(反射型)もあります。反射型の場合、光ファイバを逆方向に伝搬する光を光源ではなく受光器に導くため、必ず分岐用の部品が利用されます。

図3のように、計測部は光ファイバ自身である場合(intrinsic)と変換器と組み合わせた形態(extrinsic)があります。さらに、光が一度光ファイバの外に出て変換器に入力され、出力となる光を光ファイバに戻すというように、変換器が「ブラックボックス」となる形態(hybrid)があります。

どの形態においても、光源から伝送路を通って計測部に到達した光の特性がその場の外部環境に応じて変化し、その特性変化は、さらに伝送路を通って光が最後に到達する受光器の出力から検出することになります。ここで検出量として利用される光の特性には、強度、位相、周波数、波長、偏波などがあります。

光ファイバ自身が計測部となる場合は、外部から直接的に光ファイバに加えられた変化が伝搬光の特性を変化させます。変換器と組み合わせた場合には、変換器を通して外部の変化が光ファイバに伝えられます。

最後の形態では、変換器の中で計測量にしたがって何らかの変化を受けた光が光ファイバに戻されます。外部から光ファイバに加えられる変化には、物理的な量(歪、温度、磁界など)と化学的なもの(液体、ガスなど)がありますが、一般的に、光ファイバ自身が計測部となるセンサは物理量の計測が可能で、変換器を用いるものは物理量のほかに化学量も計測することができます。
 
図2
図2 光ファイバセンサの基本構成(透過型)

 図3
図3 計測部の形態による光ファイバセンサの分類(透過型)

本書では、主に光ファイバ自身が計測部となる光ファイバセンサを取扱います。その光ファイバセンサには、次のような特長や優位性があります。

① 細径・軽量
② 可とう性
③ 高強度・耐久性・耐食性
④ パッシブな計測部
⑤ 耐電圧性・耐電磁誘導性
⑥ 安全防爆性
⑦ 遠隔計測
⑧ 分布・準分布計測

これらの特長や優位性が、実際の計測現場でユーザーに対してどのようなメリットを発揮するのでしょうか。センサを利用する場所は、一般的に様々な障害を含んでいます。たとえば、アクセスしにくい狭隘な空間や、運動性能や輸送効率が重要な輸送機器(航空機や船舶)では、細径で軽量、可とう性といった特長が設置・施工や運用の際に役立ちます。

また、常時かつ長時間の使用を求められる場合、センサは計測対象とする機器や構造物よりも丈夫で長持ちすることが理想的です。

光ファイバの引張特性は約3%までは弾性変形し、6%では破断します。さらに、電気式のセンサでは、計測部に電源を備えなければならなかったり、その電源部や計測部の電子部品が雷、サージ電流によって破壊されたりすることがあります。

また、近傍に電子・電気機器がある場合、電磁誘導を受けない(EMI : electromagnetic immunity)センサや対策が求められます。これらに加えて、絶対に火花を出さない「本質安全性」を持つ光ファイバセンサは、利用を阻む様々な障害に対して特に対策を施さずに利用できるという利点を持っているのです。

光ファイバセンサならではの優位性である遠隔計測と分布・準分布計測にはどんなメリットがあるのでしょうか。

まず遠隔計測とは、図2の基本構成にあるパッシブな計測部と電源を要する光源・受光器をもつ部分(計測器)を遠く離すことができるということです。

一般的な電気式のセンサでは計測器と計測部を結ぶリード線はおおよそ100メートル程度までしか拡張できません。計測方式にもよりますが、光ファイバセンサでは、伝送路あるいは計測部自体を数十キロメートルまで伸ばすことができます。

電源を設置するのが難しい場所で計測したい場合や、ネットワーク環境やバックアップ電源が整備された場所から計測したい場合に大きな利点となります。


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