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光ファイバセンサ概論(6)

基礎編<その1>(10)

基礎編<その2>(10)

基礎編<その3>(10)

基礎編<その4>(3)

設計編<その1>(10)

設計編<その2>(3)

施工保守編<その1>(10)

施工保守編<その2>(10)

施工保守編<その3>(7)

コラム(11)

設計編<その2>

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13_データ解析の設計はどのように行うか

事務局
センサの種類ごとに光信号が持つ情報が異なります。

一般的に分布型のセンサの場合は測定装置内で演算され、OTDRは伝送損失レベル(dB)、BOTDRは歪値、そしてROTDRは温度値として出力されますので、計測器で受光した光(生の計測データ)を処理して情報に変換する必要がありません。

また、OTDRやBOTDRは計測装置本体にディスプレイが組み込まれているものが多くあり、計測データを直接見ることができます。

OTDRとBOTDRでの計測の場合、物理量の変化の前後のデータから、差分値を求める必要がありますので、光ファイバを計測対象の設備などに取り付けた時の初期値のデータを保存しておく必要があります。

また、BOTDRでの計測の注意点としては、計測データには温度の変化による歪量の変化が含まれていますので、温度の変化による歪量を差し引くなどの処理が必要になります。

FBGセンサの場合は、FBGを使って圧力計、温度計および変位計などのセンサを作りますので、反射波長のシフト量(物理量の変化前後の波長の差分量)を演算処理し、計測する物理の単位(Pa、℃、µmなど)に変換する必要があります。

FBG本体の特性としては光ファイバの伸びと波長のシフト量は線形(一次式)の関係(図1)となっていますが、圧力などの変化をFBGに伝える構造の違いにより非線形となる場合がありますので、各種センサにFBGを組み込んだ場合に波長のシフト量と物理量の変化の関係を把握して、シフト量を物理量に変換する変換式を作成する必要があります。

図1
図1 FBG単体での波長シフト量と歪量の関係

場合によっては図2に示すように多項式近似になる場合もありますので、あらかじめセンサの特性を把握しておく必要があります。

図2
図2 FBG組込センサとしての波長シフト量と歪量の関係(例)

FBGの場合もBOTDRと同様に波長のシフト量に温度変化による波長のシフトが含まれていますので、センサに物理量計測用FBGと温度計測用FBGを組み込んで、温度の補正を行う必要があるので注意が必要です。

また、BOFもFBGと同じように波長のシフト量を計測するセンサです。波長のシフト量は温度変化に対してFBGと同様線形の関係にありますが、BOFにかかる圧力に対しては波長シフト量が圧力の1/3乗に比例します。

PNCRの1方式であるDWPR方式を用いて2つの波長に対するBOFの反射率比から温度や圧力を求める場合には、反射率比と温度、圧力の関係は線形にはならず、図2に示すような多項式近似を用いる必要があります。

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